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雇用条件

労働者のための安全管理

ロシアの労働法は労働者のために、次のものを含む安全管理を定めている。

  • 標準労働時間は週につき四十時間を超えることはできない。
  • 時間外労働は特定のカテゴリーの労働者に対して特定の条件下でのみ許されている。しかし、一般的に時間外労働は連続する二日間で一人につき四時間を超えてはならず、年間百二十時間を超えてはならない。時間外労働に対する支払いは次のレートに従う。最初の二時間に対しては一、五倍以上、残りの時間に対しては二倍以上が支払われねばならない。このレートは週末や祝日における時間外労働に対しても適用される。労働者は各自の判断で、時間外労働の埋め合わせとして振替休暇を申請することができる。
  • 労働者は、生産上の必要性がある場合を除いて、雇用契約に記載されている義務の範囲外の業務を行うよう要求されてはならない。必要性がある場合には、労働者は一時的に同じ雇用主のもとで一ヶ月間、別の部署に異動することができる。今ある立場より低い水準の役職への異動は、労働者の同意書に従ってのみ許可される。雇用主の要求に応じて追加の業務を行うことは労働者の同意書に従ってのみ許可される。この場合、関係書類は破棄される。
  • 労働者には十二日の祝日有給休暇と、カレンダー上で年間二十八日の有給休暇が与えられている。年間の最小有給休暇数は特定のカテゴリーの労働者のために、法に基づいて引き上げられうる。
  • 病気の際には、労働者は雇用主のロシア連邦社会保険基金により出資された一時的障害給付金を受け取ることができる。給付額は元の賃金により異なり、労働者の所得の六十パーセントから百パーセントの間で決定される。これは労働者の勤続年数により異なるが、規定の額を超えてはならない(2012年では一日につきおよそ1,200ルーブリ、すなわちおよそ40米ドルが支払われた)。雇用主は自らの出資でより多額の一時的障害給付金を支払うことができる。
  • 労働者は労働組合員としての義務や裁判所への出頭、もしくはその他の国家的ないし公的義務により職場を離れていた期間分の賃金を受け取ることができる。
  • 特定の条件下では労働者は退職金を認められる。
  • 労働者は妊娠休暇や祝日有給休暇、年次有給休暇といった社会保障を受けられる。
  • 時間外労働は特定のカテゴリーの労働者に対して、数々の条件に従って許可される。
  • 女性はカレンダー上で七十日の有給妊娠休暇(二人以上の子を出産する場合には八十四日)を取得することができ、カレンダー上で七十日の育児休暇(出産後に合併症を引き起こした場合には八十六日、二人以上の子を出産する場合には百十日)を取得することができる。この休暇は社会保障により付与され、法が規定する金額に従って支払われる。当該企業での雇用期間の長さに関わらず、女性は妊娠の直前あるいは直後から取得できる有給休暇を与えられており、この権利をこの誕生後三年間のうちに使用することも可能である。
  • 社会安全保障は子が一歳六が月を迎えるまで妊娠中の母親に対して支払われる。父親、祖父母、その他の親族は特定の条件下で育児休暇を取得することが可能である。
  • 労働者は労働組合を組織して企業の運営に参加することができる。主な労働組合組織は雇用主との関係における労働者の利益を代表し、協約の期間と条件に従うことを約束し、法により規定された手続きに従って労働紛争の解決に参加する。

ロシア労働法は労働者のために、社会保障、解雇時の退職金、時間外労働に対する支払いなどを含む数々の安全管理を規定している。

雇用契約

ロシア連邦労働基準法は以下のように定めている。すなわち、雇用契約は基本条件(例えば勤務地、勤務開始日、雇用形態、業務記録簿(労働時間)賃金と給付金など)と追加条件(労働者試用期間、会社秘密を守る条件など)を含んでいなければならない。

雇用契約は次のいずれかの形で締結される。

  • 雇用期間の定めがない
  • 雇用期間が五年以内に定められている

雇用期間が五年以内に定められている雇用契約を結ぶことは、雇用期間の定めなく雇用関係を築くことが不可能である場合においてのみ、特定の条件に従って許可される。特に、下記の分類に当てはまる労働者の場合は雇用期間を五年以内に定めることが許される。

  • 所長、副所長、代表会計士
  • 特定のプロジェクトの実施のために設立された企業の労働者
  • パートタイムで働く労働者(二つ以上の職を兼業している者)
  • 実習生

労働者一人一人に対して雇用主は個別の雇用契約書を用意しなければならない。契約書の署名に際して、組織長は彼・彼女に対して辞令と勤務許可を発行せねばならない。

ロシア労働法は雇用契約の終了のための以下の理由に備えている。

  • 当事者間の同意
  • 雇用契約の満了
  • 雇用主あるいは労働者による主導(下記参照)
  • 雇用主の交代や雇用条件の悪化、再編成から生じた労働者の勤務継続の拒否
  • 雇用主の移転から生じた労働者の勤務継続の拒否.

労働者は雇用主に対して、契約終了日の二週間前に書面にて通知をすることにより契約を終了することができる。ただし、これは二週間より早い日程での終了を両者が承認している場合を除く。期間に定めのある雇用契約は彼・彼女の怪我や障害、業務遂行上に問題がある場合、あるいは労働法、協約、雇用主による雇用契約に違反した場合、あるいは労働者が退職理由を正当化した場合に終了することができる。労働者はある特定の場合においてのみ雇用主に通知することなく雇用契約を終了することができる。

雇用主は以下の場合に契約を終了することができる。

  • 雇用に際し、労働者が虚偽の書類を提出した場合
  • 正当な理由なく労働者が日常的に業務の遂行に失敗したり、欠勤したり、職場での酒気帯びが認められる場合。彼・彼女が国家秘密、企業秘密、雇用主の社外秘情報を漏えいした場合。彼・彼女が雇用主の所有物を盗んだ場合。また彼・彼女が労働保護の必要条件の遵守を怠った場合(これらに対しては厳格な措置がとられる)
  • 社長や支社が一つでも労働義務に違反した場合;
  • 損害責任を負う労働者が企業経営の信用を損なう行為をした場合

ロシア法では、雇用主は自らの主導によって下記の労働者との間に締結された雇用契約を終了することはできない。

  • 妊婦あるいは三歳未満の子がいる女性
  • 十四歳未満の子、あるいは障害のある十六歳未満の子をもつ独身女性.

十七歳以下の労働者との間に締結された雇用契約は国家労働調査団と未成年者委員会の同意に従って終了される。

仕事に対する明確な必要条件と労働者の不履行の確たる証拠がない限り、労働者の矛盾という理由でと雇用契約を終了することは難しい。不当な解雇がある場合を考えて、裁判所は労働者の肩をもつことが多い。実際には、企業は可能であれば労働者の自己都合退職を望んでいる。

労働基準法は雇用主の主導による特定のカテゴリーの労働者の労働契約の終了を禁じている。

業務記録簿

ロシアの労働法は少なくとも五日間勤務した一人一人の労働者に対して、その企業が労働者にとっての主たる雇用であるならば、業務記録簿を管理することを要求している。これは個々人の生涯における雇用記録をとるための基本書類である。解雇の際の雇用契約終了の理由を記した書き込みは、仕事上の成果に対する報酬、労働者が遂行した業務に関する情報、別の正規労働への移行などの書き込みと同様に、業務記録簿の中に書き込まれる。

業務記録簿への全ての書き込みは雇用主により認められた代表者のサインと企業印によって証明される。

労働者試用期間

試用期間(原則として三ヶ月)は、特定の役職における労働者の勤続可能性を知るため、雇用に際して認められている。試用期間は特定のカテゴリーの労働者(例えば妊婦、未成年者、転勤者)に対しては認められていない。社長や副社長、代表会計士やその副官、支社長、事業部長やその他オフィスや企業の構成ユニットの代表者に対しては、六ヶ月の試用期間が設定されうる。

一般的に労働者に対する試用期間は三ヶ月を超えてはならない。

賃金

ロシア連邦労働基準法は時間ごとに支払われる賃金に関連する労働者の利益を保証するための下記の指標を提供している。

  • 雇用主は少なくとも一ヶ月に二回賃金を支払うことが必要とされる。もしも支払いが十六日以上遅れることがあれば、労働者は事前の通知に従って勤務を停止することができる。このような場合裁判所は雇用主に、労働者が賃金を得ることなく働いた全ての日に対して平均賃金の三分の二(過去十二ヶ月間を遡り、実際の支払可能な賃金と実際の勤務時間に基づいて計算される)の額を返済することを義務づける。
  • 雇用主は支払いの遅れた各日に対して、ロシア中央銀行の再融資金額の少なくとも三百分の一の利子を支払うことが必要とされる。
  • 雇用組織やその幹部は賃金の支払い遅延に際してそれぞれ30,000~50,000ルーブリ(約1,000~1,700米ドル)、1,000~5,000ルーブリ(30~170米ドル)の罰金を課されることがある。雇用主の活動がカレンダー上で九十日間停止させられる場合もある。
  • もしも雇用組織の幹部が賃金の支払い遅延に対してすでに罰金を課されたことがある場合は、彼・彼女は十二ヶ月から三十六ヶ月の間、幹部としての役職につくことを禁じられうる。
  • もしも賃金の総額の半分以上の支払い遅延の理由が経営上の、あるいは代表幹部の利益によるものであるという証拠があるならば、ロシア連邦刑法に基づいて、彼・彼女は最高120,000ルーブリ(約4,000米ドル)、あるいは過去最高十二ヶ月間を遡った彼・彼女の他からの所得、収入と同額の罰金が課される可能性がある。さらに、代表幹部は特定の活動に従事する特定の役職につく権利を最高十二ヶ月間剥奪され、最高二十四ヶ月の強制労働に従事させられ、最高十二ヶ月間自由剥奪の判決を受ける可能性がある。
  • 三ヶ月以上に渡る賃金未払いや連邦法が定める最低月収以下の額(2012年では4,611ルーブリ)の支払いについてより重い責任が課される。現行の行為が深刻な結果を引き起こしている場合も同様である。

法定最低月給

法定最低月給は賃金、補償金、その他労働法により必要とされている支払いを規定するために、また税金、関税、罰金その他の支払いを計算するために設けられている。

2012年12月1日の時点では、連邦法定最低賃金は4,611ルーブリ(約150米ドル)であった。この法定最低賃金は労働に対する報酬や一時的障害手当を計算することに使われる。

ロシア連邦主体は最低賃金として個別の額を設けることができるが、これは少なくとも4,611ルーブリでなければならない。モスクワにおけるこの最低月給2012年7月1日の時点では11,700ルーブリに設定されていた。

その他の目的のため、例えば税金、関税、罰金、市民法に定められたやりとりの責任を計算するために、100ルーブリ(約3米ドル)の最低月給が適用される。

通貨と賃金支払い方法

現金で賃金を直接支払うことはロシアでは禁じられている。

ロシアでは、賃金は通常、金銭(ルーブリ)として支払われる。しかし、集団的合意や労働者の要求書に基づく雇用契約の下では、ロシア法やロシアが調印した国際取引条約に反しない限り、支払いが金銭以外の形で行われる可能性がある。金銭以外の形での報酬の額は労働者の賃金全体の二十パーセントを超えてはならない。

退職金

ロシア連邦労働基準法は雇用契約が以下の理由により終了した場合、平均所得の二週間分に相当する退職金を想定している。

  • 労働者の従軍あるいは他の公的サービスへの従事
  • 企業や機関、組織の移転による転勤が必要とされた場合の、労働者の異動拒否
  • 法的医療文書により証明された労働者就業不能
  • 雇用主により導入された不文律の期間、条件(このような変更は例外的にのみ可能である)による労働者の勤務継続拒否
  • その役職に以前ついていた他の労働者の再雇用
  • 関連する医療的知見に基づく労働者の異動拒否、あるいは雇用主が適切な職を提供することができない場合

組織の縮小や人員削減があった場合には、従業お員は平均月収に相当する退職金を得ることができる。このような労働者は、もしも彼・彼女が新しい職を見つけることができない場合、二ヶ月分(特定の状況下では三ヶ月分)の賃金に相当する追加の支払いを一回に限り受けることができる。

 
 

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